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データクレンジングとは?必要性とメリット、実施の際のポイントを解説


企業データベース


企業にとって、データの有効利用は戦略の要と言える存在となりました。的確にデータ活用することは、戦略の効率化や競争力強化につながります。しかし、その基盤となるデータに不備があっては、データの効果的な活用が妨げられる恐れがあります。そこで、データの正確性を高めるために不可欠なのが、データクレンジングです。ここではデータクレンジングの基本的な知識と得られるメリット、スムーズに進めるためのポイントを解説します。


企業データベースの活用には、データの種類や特長、データ活用における課題を理解することが重要となります。「これからデータ活用をはじめたい」、「うまく活用できていない」企業様向けにデータの活用方法についてまとめたE-bookをご用意しておりますので、参考として役立ててください。




 

データクレンジングとは

 

初めに、基本的な知識や目的を解説します。


データクレンジングの基本


データクレンジングとは、一定の基準やルールを定めてデータベースにあるデータに編集・統合・補正などの調整を施し、データの適正化を行うことです。データクレンジングを実施することで、データフォーマットが統一され、表記ゆれなどの不均一性が解消されます。また、必要に応じて削除や補完も行うことで、データの最新化も図ることができます。


データクレンジングの対象となる不備には、以下のようなものがあります。


■誤登録(誤ったデータの記録)

データベースにおいて、誤って入力された、あるいは情報そのものに誤りがあるデータです。例えば、名前や住所の変換ミス、誤った日付の記録、誤った商品コードなどが挙げられます。


■重複登録(同じデータが複数回登録されている場合)

重複登録は、同じ情報がデータベースやファイル内で複数のエントリーとして登録されている状況を指します。重複登録があると、データの整合性が損なわれ、分析やレポートの正当性が欠ける恐れがあります。データクレンジングでは、重複したエントリーを特定し、統合または削除してデータの一貫性を向上させます。


■表記ゆれ(同じ情報が異なる表記で登録されている場合)

表記ゆれは、同じ情報が異なる形式やスペルで登録されている状況を指します。例えば、漢字と平仮名での表記、カタカナと英語表記などが挙げられます。異なる形式を標準化することで、すべてのデータを正しく扱うことができます。


■情報の欠如(必要なデータが不足している場合)

データセット内で必要な情報が不足している状況を指します。情報に不足があることで、分析や意思決定が困難になることも考えられます。情報の欠如している箇所を特定し、必要なデータを収集、補完します。


このように、データクレンジングは、データの不備をなくし、データ分析の精度を上げて有効な結果を導き出すために重要な作業です。クレンジングしたデータは、DM(ダイレクトメール)送信などのマーケティング活動や顧客対応、営業用のリスト、戦略的な方針の策定やリスクの評価、市場動向の分析などによる意思決定に役立ちます。



データクレンジングの目的


■品質向上のため

データ自体が不正確な場合、データ活用において期待する結果を得ることができません。不正確なデータをそのままにしていると、そのデータを用いた分析やマーケティング、意思決定が正しく行われない可能性があります。例えば、誤った顧客情報を使用してマーケティングキャンペーンを実施した場合、適切な対象にアプローチできず、広告予算の無駄が発生することもあります。


■信頼性低下の懸念の排除

データが不正確で一貫性がない場合、分析結果にゆれが生じ、データに対する信頼性の低下につながります。組織内でのデータ活用への不信感を生み出し、情報を軸とした行動促進の妨げとなります。


■顧客への適切なアプローチ

データの品質が上がることにより、顧客アプローチの質も向上します。低品質な顧客データを使用している場合、案内の重複や誤送付の発生なども考えられます。顧客データが不正確で重複が多い場合、同じ顧客に対して複数の案内が送信されたり、誤った情報が提供されたりする可能性があります。こうしたことが重なると、顧客からの信用度を低下させ、企業イメージを落としかねません。


 

データクレンジングのメリット

 

ここではデータクレンジングのメリットについて紹介します。


■データ分析の精度向上

フォーマットや表記を統一することで、データの一律化が実現します。

データの品質が悪い場合、分析の精度が落ち有効性の高い結果が得られなくなります。データクレンジングを通じて品質の高いデータを活用することで、より精度の高い分析結果が得られます。


■業務効率の向上

一律化されていない情報が社内のあちこちに存在していると、コミュニケーションの齟齬(そご)や認識のズレが発生します。データクレンジングされた情報を全社的に共有することで都度確認の必要がなくなり、部門間の連携や進捗管理が容易になります。


■コスト削減

重複データにより、同じ人物に重ねてアプローチをするといった、通信コストのムダを削減します。また、最新の情報であるか、誤りがないかといった情報確認にかかる、個別業務の時間コストも削減され、人件費の抑制にもつながります。


さらに、データクレンジングがなされないとデータは増え続け、それに合わせてサーバー増設も必要となるでしょう。データクレンジングにより不要なデータを削除して軽量化することで、サーバー増設費や、増設による管理コストも削減することができます。


■経営戦略の精度向上

経営戦略は、企業全体を見据えて長期的な方向性を決定する大きなテーマです。事業領域では市場分析、競合分析、顧客セグメンテーション、予測分析。資源領域では、ヒト・モノ・カネ・情報などの要素があります。ほかにも多くの要素があり、個人の経験則や予測だけでは精度の高い経営戦略を策定するのは難しいため、データを用います。


しかし、誤ったデータが戦略の根底にあると、誤った意思決定が行われかねません。結果的に経営戦略の精度が低下し、市場競争での立ち位置に影響を及ぼします。ブレのないデータを使用することで正確なデータ分析が行われ、意思決定において信頼できる根拠が得られます。


 

データクレンジングの進め方

 

一般的には次のような流れで進められます。。


■データの集約

各所に分散しているデータを1カ所に集約するには、所定の部署を作り社内に散らばるデータを一括管理する方法や、各部署のデータを同期してファイルやフォルダを同じ状態に保つ方法があります。


どの方法にしても、まずはデータクレンジングの目的に合わせ、データの種類、フォーマット、データソースなどを把握する必要があります。また、自社ビジネスでのデータ活用方針も見据えた必要なデータ要件の確認も重要です。


このようにフォーマットや要件の規格を統一したうえで、データ集約することでデータの可視化や共有がしやすくなるなど、クレンジング後のデータ活用が円滑に進められます。


■品質における問題の洗い出し

既存のデータについて、重複、欠損、表記ゆれなどの傾向を確認します。品質にどの程度の問題があるかを把握することで、データクレンジング後の効果や評価がしやすくなります。


■データクレンジング

あらかじめ作業工程のルールを決めてから、データクレンジングを実施します。一般的には、表記統一から始め、誤字訂正、欠落箇所の補完、といった順で行います。


■データの整理と管理

データクレンジング後の情報を、カテゴリ分け、タグ付け、参照マニュアル策定などの作業により、活用がしやすい形に整理します。キーワード検索やフィルタリング、インデックスや索引など、手間をかけずに情報にたどり着けるように整えることが大切です。


格納したデータは定期的なチェックと更新を行います。自社のビジネススピードに応じた更新頻度を確保し、業務ニーズを満たせる品質を維持することが求められます。





 

データクレンジング実施におけるポイント

 

実施時の注意点と、スムーズに進めるポイントを紹介します。


■優先順位と計画性

実施に先駆けて、計画とルール策定から開始し、入念な準備を行うことが大切です。具体的には、データクレンジングによって得られた情報をどのように使いたいのかという、最終的な目的を明確にし、最優先されるデータから着手します。多くの企業はすでに膨大なデータを保持しているため、本当に必要となる情報に焦点を絞ってスタートすることが大切です。


■利用者目線のデータ整備

上述したようにデータクレンジングされた情報を、どのように活用し、どのような効果が得たいのか具体化されていることと、それに対応できる形で整備されていることが重要です。一見きれいに整備されていても、情報を必要とする部署がアクセスできなかったり、データとして使いにくいものであったりするのでは意味がありません。データクレンジング後の運用から逆算し、フォーマットや表記形式を選択します。


■適切なデータ更新・メンテナンスができる体制づくり

営業活動による顧客増加やターゲット層の拡大などによって、企業のデータは日々増えていくため、常に正確なデータが保持されるための体制づくりを行う必要があります。ただし、その体制のメンバーは誰でも良いわけではなく、内部統制の観点から、決まった管理者のみが更新やメンテナンスなどの作業を行えるようにすることが望ましいです。そのため、アクセス権の付与を制限し、権限を持った担当者がルールに沿ってデータを手に入れるようにします。


■ツールの活用

膨大なデータを手作業でクレンジングすることは、現実的ではありません。RPAやデータクレンジングツールを活用し、自動化することで作業を効率化できるでしょう。


■外部サービスの活用

ツールにもよりますが、複雑なデータや特殊なデータのため対応できない場合や、データクレンジングの精度そのものが低い場合があります。また、ツールを用いても作業が完全に自動化できるとは限らず、データクレンジングのために、大きな作業負担がかかる場合もあります。


このように、ツールでは自社のデータ処理が希望する水準に達しない場合や、水準は満たせても作業負担が大きい場合は、外部サービスへの依頼がおすすめです。企業に適したデータ処理が可能で、自社従業員に負担をかけずに精度の高いデータ処理が実現します。


 

データ活用の有効性を高めるデータクレンジング

 

データ活用が施策や企業戦略に直結する時代にあって、自社が保有するデータの信頼性を高めることは事業戦略に大きく貢献します。業務効率や業績向上を目指すためにも、データクレンジングが重要です。データクレンジングされた情報は信頼性が増し、経営戦略における意思決定の確かな根拠となるほか、マーケティング活動や営業活動のためのリストとして活用できます。しかし、すでに膨大なデータがあり、どこから手をつけてよいかわからない、また社内リソースが不足しているというケースもあります。


そこで、NTTタウンページデータベースでは、状況に応じたデータのメンテナンス処理(削除・修正・追加等)を代行する「データクレンジング」および「データクレンジング・マッチング」サービスを提供しています。データクレンジングするだけでなく、不足しているデータ項目のみを追加購入できるマッチングを同時に行えるため、常に新鮮なデータを用いた質の高いマーケティング活動が可能となります。


データクレンジングやデータ活用をご検討の際には、ぜひご相談ください。



2023年12月執筆






 

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