
リレーションシップマーケティングとは、「お客様との良好な関係の構築」に重きを置くマーケティング手法で、1980年代に誕生したと言われています。お客様との良好な関係を構築し満足度を向上することで長期的な取引が見込めるうえ、口コミやSNSでの拡散による「お客様自身による自発的な広告宣伝」効果が発揮されることもあります。
例えばECサイトで商品を何度か購入すると、その後サイトにアクセスすると「おすすめ商品」が表示されていることがあると思います。また、消耗品を購入して数か月後に、「そろそろ追加購入が必要ではないですか?」というメールが来ることもあるかと思います。こういった手法はすべてリレーションシップマーケティングに基づく手法です。
近年この手法に着目し導入する企業が増えていますが、なぜ今リレーションシップマーケティングが重要視されるようになったのか、その背景について考察してみましょう。
消費者を取り巻く環境は常に変化している
スマートフォンやインターネット回線の普及により、消費者自らが欲しい商品やサービスに関する情報を積極的に入手するようになりました。そのことにより、商品やサービスを比較検討するために得る情報量が急増、その情報を吟味して本当に自分の欲しい商品・サービスを探すようになったことで、決定までにかかる期間が長期化しています。そういった背景により、短期的な関係性ではなく長期的な関係を構築することを重視するリレーションシップマーケティングが、以前よりも注目されるようになったのです。
また、サブスクリプションモデルの普及もより多くの顧客と長期的関係を構築できるようになった一因と言えます。サブスクリプションモデルの場合、いかに解約をされず継続的に利用してもられるかが重要なため、CRM(顧客関係性マネジメント)を同時に行うことでカスタマーサクセスを継続的に実践する等の工夫が必要となります。
リレーションシップマーケティングを
実施することで得られるメリット

それでは、リレーションシップマーケティングを実施するとどんな良いことがあるのかを考察してみましょう。
1. リピート率の向上
常に顧客の高い満足度をキープし顧客を「ロイヤルカスタマー化」することができれば、他社商品やサービスへの乗り換えリスクが軽減し自ずとリピート率が向上します。また、解約率を低減することもできます。
2. 顧客単価の向上
リレーションシップマーケティングにより良好な関係を築くことができれば、顧客は商品やサービスのファンになり、一度の購買で複数購入したり、年に何度も購入したりしてくれるようになるため必然的に顧客単価が向上します。このような顧客層を多く育成することで、売り上げの底支えが期待できます。
3. 生涯顧客価値=LTV(Life Time Value)の向上
生涯顧客価値とは、顧客が生涯を通じて企業にもたらす利益のことを言います。既存客の維持・拡大はLTV向上の大きな要因となります。良好な関係を長期にわたり構築できている既存顧客からのリピート購入には顧客獲得単価がかからないため、利益を最大化することができるためです。
リレーションシップマーケティングの具体的手法とは?

リレーションシップマーケティングにはいくつかの具体的手法がありますが、ここでは代表的なものをご紹介いたします。
1. データベースマーケティング
データベースマーケティングとは、顧客の属性情報、アンケート回答、購買履歴などのあらゆる顧客情報を収集・管理・分析し、顧客の興味・嗜好によりマッチするような情報を配信する等のアプローチを行い購買行動につなげることです。データベースマーケティングの目的は新規顧客の獲得だけではなく、既存顧客との長期的な関係性の維持向上をすることにもあります。
2. アカウントベースドマーケティング(ABM)
アカウントベースドマーケティングとは、BtoBの営業や販促で用いられる手法です。ロイヤルカスタマーをメインターゲットとし、それぞれに合った手法を用いてアプローチをします。顧客を絞り込むことで高いLTVが見込める顧客へのアプローチにリソースを集中することができ、無駄を省いた効率的なマーケティング活動を実現できます。
3. SNS等Webツールを用いたアプローチ
会社のホームページを見る機会は少なくても、SNSなら頻繁にチェックするという顧客もいるはずです。新しい商品やサービスのPRをする場としてSNSを活用するのも効果的。極力更新頻度を保ち、コンスタントに情報発信をすることでファン層の獲得や拡散によるプロモーションにも効果的です。
まとめ
新規顧客の獲得に力を入れることはもちろん大事ですが、並行して既存顧客を維持し単価やリピート回数を向上させることが非常に重要です。リレーションシップマーケティングを有効活用することで、収益を最大化すると同時に長期的に安定した利益を確保できるようになります。
まだリレーションシップマーケティングを実施したことがない方は、ぜひ現在の既存顧客のリピート率を確認してみましょう。リピート率が低い場合は、今すぐにリレーションシップマーケティング導入を検討することをお勧めします。
なお、データが古い、活用方法がわからない等のお悩みをお持ちの方は、データクレンジングに強みを持つNTTタウンページにぜひご相談ください。貴社の持つデータを最大限に活用するために、経験豊富なスタッフがサポートいたします。
コラム筆者:船越 藍
(2022年5月執筆)

メールマガジンを配信しております!
最新!日本全国ランキング ラーメン大好きNO.1は”10年不動”のあの県!」等タウンページデータベース統計情報をもとにした都道府県別業界ランキングや、ウェビナー開催のお知らせなどの最新情報をメールマガジンで配信しています。
メールマガジン配信をご希望の方は、下記からご登録をお願いします。

データベースにご関心やお悩みがございましたら、
ぜひお気軽にお問い合わせください。