人流データを活用したビジネス戦略




人流データは、人がいつ・どこで・どのように行動しているかをデータ化したものです。企業のマーケティングや混雑状況に応じた人員配置、自治体における地域活性化や市街化計画、防災計画への活用など、官民問わず幅広いジャンルの活動に利用することが可能です。


しかし、人流データの運用にはいくつもの課題が残されており、専門とする人員の不足や組織上位層の情報不足などから、データ活用が十分に普及しているとは言えません。国土交通省や経済産業省、総務省などを中心に検討例を提示することで、データ活用の普及を国全体として推し進めているのが現在の状況です。


この記事では、人流データを活用したビジネス戦略について解説します。


 

人流データ活用のメリット

 

国土交通省は2022年3月に、人流データの活用促進のためのガイドラインとして「地域課題解決のための人流データ利活用の手引き」を公開しました。資料の中には以下5つの人流データ活用のメリットを提示しています。


<人流データ活用のメリット>

● 最新の地域の実態把握が可能になる

● 人手観測と比較して精度は遜色なく費用対効果が高い

● 過去データも一部ではあるが取得が可能

● 既存の統計情報や地理空間情報とあわせた活用が可能

● データを蓄積することで政策立案の根拠にできる


最新の技術で人流データはリアルタイムで取得することが可能になったため、自治体も常に最新の地域情報を得ることが可能になります。従来は人の手によりアンケート形式などで実態調査をしていましたが、人流データを利用することでデータ集計のコストパフォーマンスが向上します。過去データについても蓄積されたものであれば一部取得が可能なので、過去との比較にも利用されることでしょう。


また、データそのものを把握するだけでなく、地理情報や他の統計情報と組み合わせることで、新たな地域の運営課題を発見する機会を得られるはずです。取得するデータの量・質が向上しますので、政策立案が効果的であることの根拠に取得した人流データが利用されるようにもなることでしょう。これらのメリットは官民問わず当てはまることであるはずです。


 

人流データが解決できる課題

 
データドリブンマーケティングで変わること

人流データが解決できる課題について、民間・自治体に分けてご紹介します。


■民間の課題

まずは民間企業における課題を見ていきます。


・コロナ禍で従来の集客方法では効果が得られない

コロナウイルス流行の影響で人の行動パターンが変化し、従来の方法では集客が難しくなっています。人流データはリアルタイムの情報を取得することができるため、顧客の今を知ることが可能になります。



・自店舗の商圏を十分に把握できていない

自店舗にきてくれる顧客はどこから来てくれているのか、アンケートなどを取っていない限り把握ができません。人流データは人の行動パターンをデータ蓄積できるので、自店舗の商圏を確認することができるようになります。



・競合店の商圏や活動状況がわからない

差別化のために競合店を調べようと思うけれど、具体的な案をすぐに用意するのは難しいでしょう。自店舗の商圏を調べるのと同じように競合店の人流データを調査することで、時間帯やエリア別で競合店の活動状況を確認することができるようになります。



・潜在顧客に対してアプローチできない

お店に来てくれた顧客に対してのサービス提供のみで、新規の顧客獲得に苦労しているかもしれません。既存顧客の人流データを参考に行動パターンの共通点を見つけることで、新規顧客にも適切なアプローチが可能です。



・自社で所有する顧客情報だけでは顧客の実際の行動はわからない

顧客情報は蓄積されているけれど、店舗に来るまでの行動パターンの方が知りたい場合もあるでしょう。人流データはまさに顧客の動き(いつ・どこから・どのようにして来ているのか)を把握するのに最適です。





■自治体の課題

続いて自治体における課題を見ていきます。


防災・防犯対策が適切なのか分からない

従来のやり方で防災・防犯対策を立案するも、現代の人の動きに合っているのかと疑問に思うかもしれません。人流データは今の人の動き・流れを確認するためのものです。避難誘導のシミュレーションに利用できるはずです。



効率的な環境対策ができていない

SDGsの考えが普及している昨今において、効率的な対策ができていないかもしれません。人流データを参考に人の動きに合わせて空調や照明の調整ができれば、人為的な手間が省けるようになります。



地域活性化のためにスムーズな人の流れを作りたい

地域活性化が成功しても、混雑が頻繁に起きればコロナ禍の現代ではあまり喜べないかもしれません。人員データは混雑状況や渋滞状況の確認にも利用できます。適切に交通機関を運行させることで混雑緩和に繋がることでしょう。



 

各省庁による人流データ活用検討例

 
データドリブンマーケティングのポイント

各省庁が主導する人流データ活用の検討事例をご紹介します。


1. 国土交通省

各自治体において公共交通の最適化、避難誘導検証、市街地活性化に向けたデータ利用、駆動型まち作りがデータ活用のモデル事業として採択されています。また、現実空間と仮想空間を融合した国土交通データプラットフォームの構築も計画されています。



2. 総務省

産官学のデータ相互利用を促進するために、ソーシャル・ビッグデータ利活用についての協議会を定期開催しています。人流だけでなく宇宙・気象・化学データをもちいた基盤技術の研究開発を進めています。



3. 経済産業省

業務効率化や生産性向上のため、街に存在するセンサーから得られるセンシングデータの活用を進めています。自治体のICT化を促進することで、データ活用の環境構築をおこないます。



 

人流データをビジネスに活用した事例

 

続いてビジネスの現場での活用事例をご紹介します。


人流データと新規出店

小売店における出店エリアの選定と店舗運営の効率化に人流データを利用した事例です。従来であればエリアごとの人口密度や人力で交通量をカウントしての検討でしたが、人流データを利用することで、リアルタイムかつ正確な位置情報を元に人の動きを把握できるため、出店場所の検討・判断を効率化できるようになります。

運営についても過去の実績から判断するのではなく、現時点の人の動きから判断できるため、より的確な発注や人員配置ができるようになります。



人流データとポスティング

ポスティングに人流データを採用した事例です。コロナの影響でデリバリーやテイクアウトを始めた店舗も少なくないでしょう。エリアごとに一律にチラシを配布するのではなく、人流データから既存顧客の住居エリアを予測し該当エリアへ重点的に配布することで、新規顧客の獲得可能性を高めることができるようになります。実際に、店舗への注文の増加や人流の増加に繋がっています。


 

まとめ

 

人流データを活用するメリットや解決できる課題を解説してきました。人流データはリアルタイムで正確な情報を取得できるためそのままでも利用価値がありますが、目的に合わせて組み合わせることで真価を発揮します。


推測に基づくものでなく、正確でリアルなデータを根拠に経営判断・事業判断を求めるのなら、人流データの利用は欠かせないものになるでしょう。本記事がデータ活用に踏み出す助けになれれば幸いです。


また、弊社において人流データを活用した事例もございますので、ぜひお気軽にご相談ください。




2022年8月執筆




 
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