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10年前と比べて弁護士の数は増えた?減った?

都道府県別の分布と登録件数の推移

~「弁護士」の都道府県別件数ランキング~



法廷で依頼者の味方になり守ってくれる弁護士。トラブルを法律の専門家の立場から解決に導いてくれる弁護士は、あこがれる職業のひとつで、ドラマや映画でも弁護士の活躍を描いたものが数多くあります。


一方で深刻となっているのが、弁護士不足や地域格差です。社会が複雑化し、企業にコンプライアンス遵守が求められる情勢のなかで、弁護士の需要は年々高まっています。しかし、弁護士の絶対数が少なく、特に地方ではそれが顕著な傾向がありました。国でも司法制度改革などの政策を行っていますが、果たして弁護士不足や地域格差といった問題は解消されたのでしょうか?データから考察していきましょう。



 

弁護士の登録件数の推移と地域分布

 
弁護士の登録件数の推移と地域分布

はじめに弁護士の登録件数についてみていきましょう。2014年に、タウンページデータベースのデータに基づき作成した記事にて調査した結果、2005年から2008年までは弁護士の登録件数は微減傾向にありましたが、2009年以降は右肩上がりに上昇したという結果が明らかとなりました。


このデータ(2005年~2014年の「弁護士法人等」の登録件数推移)に、2019年~2021年のデータを追加すると、その結果は驚くべきものになりました。


「弁護士法人等」の登録件数推移

2014年は弁護士の登録件数が11,305件だったのに対して、2019年は11,154件。およそ300件近く弁護士の登録件数が減少しているのです。さらに2020年には100件近く減って11,067件、2021年はさらに200件近く減少して10,842件となりました。なぜ、2010年代前半には順調に弁護士の登録件数が伸びていたのに、近年になって減少に転じたのでしょうか?


原因としてまず挙げられるのが、弁護士の高齢化です。日本は今、少子高齢化が進み、労働人口も減少傾向にあります。特に2007年には、団塊の世代(1947年~1949年生まれ)が定年年齢を迎えることから、それが加速していきました。その結果、一般の企業では、人手不足が深刻になり、廃業する中小企業や自営業者も少なくありません。弁護士も例外ではなく、加齢によってリタイアした弁護士も多いことが想像できます。


しかし、2009年以降は弁護士の登録件数は増加。近年の弁護士減少は、高齢化だけでは片付けられない背景があるようです。


2004年に法科大学院(ロースクール)が創設されるなど、司法改革によって弁護士の登録件数は増加しました。その結果が2009年から2014年までのデータに現れています。しかし、弁護士の数が増えすぎたことで競争が激化し、収入も低下。2014年をピークに減少に転じたのには、「食べていけない」状態に陥った弁護士が多くなったことが要因のひとつとして考えられます。また、弁護士になるハードルが下がったことで弁護士の数は増加しましたが、司法試験合格者の質の低下という事態もみられるようになりました。


高給取りと思われている弁護士ですが、特に個人の法律事務所の場合は自営業であり、仕事がないと収入を得ることができません。スキルが十分でない、あるいは営業力がなくて仕事が取れない弁護士が廃業していると考えられます。


とはいえ、2000年代と比較するとまだ弁護士の登録件数は高水準にあり、今後の推移を見守りたいところです。



 

弁護士の地域格差は改善された?

 

以前の記事でも、弁護士の地域格差については問題として取り上げられました。大都市圏(東京、大阪、京都、愛知、福岡など)では弁護士の登録件数は多いものの、地方では弁護士の登録件数が少ないという格差が生じていることが指摘されています。これについてはどのような変化があったのでしょうか?


都道府県別弁護士1人あたりの人口

上図は、弁護士1人あたりの人口をグラフ化したものです。全国平均では2,921人。つまり、3,000人近い人口の地域に1人弁護士がいて、そのエリアの仕事を担うようなイメージです。弁護士1人あたりの人口が多ければ多いほど、その地域は弁護士が不足していることになります。


2013年のデータでは全国が3,792人だったので、平均でみれば弁護士不足は解消されていると言えます。やはりもっとも多いのは東京で672人、次に大阪1,847人、そして京都府が3,150人、愛知県が3,628人、福岡県が3,642人と続きます。この序列は2013年と同じです。ちなみに、前回東京は844人、大阪は2,215人なので、弁護士1人あたりの人口は減少しています。京都、愛知、福岡においても同様の傾向です。


一方もっとも少ないのは秋田県で12,800人、その次が岩手県で11,757人、そして青森県11,063人、山形県10,279人、岐阜県9,515人と続きます。やはり前回と同様、秋田県が最下位、その次が岩手県になってしまいました。一方で、前回は秋田県が14,163人、岩手県が13,197人だったので、状況は若干改善されてきていると言えます。


しかし、依然として弁護士の数に偏りがあるのが実情で、大都市圏と地方の格差問題は解消されていない状況です。


弁護士は個人で事務所を運営されている方も多く、仕事がある大都市圏に集中するのは致し方のないことと言えます。競争が激化するなかで、いかにして地域格差をなくしていくか?難しい課題が浮き彫りになっています。



 

大都市でも弁護士が減少

 

弁護士1人あたりの人口でみると弁護士不足は改善されたと言えますが、大都市圏であっても年々弁護士の数は減少傾向にあります。次は人口10万人あたりの「弁護士法人等」の登録件数のランキングをみていきましょう。


弁護士登録件数ランキング
NTTタウンページ(株)作成

東京都では、2019年の弁護士法人等の件数は2,430件でしたが、2021年には2,268件と200件近く減っており、10万人あたりの弁護士の登録件数も17.71件から16.29件に減少しています。大阪府に関しては、2019年には1,231件だったのが2021年には1,170件に、愛知県は2019年が770件だったのが2021年には741件となっており、やはり両県とも10万人あたりの弁護士の登録件数も減少しています。4位以下の道県においても同様の傾向です。


ちなみに2014年度のデータでは、東京都の弁護士法人の件数は2,766件で、10万人あたりの弁護士の登録件数は20.91でした。こうしたデータからも弁護士の減少傾向が読み取れます。



 

まとめ

 

今回ご紹介したデータによって日本の登録弁護士は近年減少傾向にあること、また依然として都市部と地方で格差が生じていることが浮き彫りになりました。また、その背景には少子高齢化や弁護士の競争激化などの背景があることが読み取れます。


このように、データを活用することで現状把握ができ、さらに推移や分布などさまざまな角度で分析することで、社会情勢の変化を読み解くことが可能です。こうした視点は、ビジネスにも活かすことができます。


たとえば、法律相談事務所の開業を検討されているなら、仕事を獲得しやすい都市部に開業するのもありですが、逆に競合となる弁護士が少ない地方で開業するのもひとつの戦略として立てられます。弁護士向けのビジネスをされる方であれば、絶対数が多い都市部のほうが有利だと考えられます。


タウンページデータベースでは、最新かつ精度の高いさまざまな業種のデータベースを保有しており、データの提供はもちろん、集計や分析もサポートしています。法律相談事務所の開業時や、さまざまなデータをリサーチするうえで、ぜひ利用してみてください。




コラム筆者:田村 文作

(2022年2月執筆)


【調査概要】
都道府県別 人口約10万人に対する「弁護士」の登録件数分布及び年別の推移を掲載します。
■対象期間と抽出方法:2019年・2020年・2021年の各4月時点で、タウンページデータベースの業種分類「弁護士」に登録されている件数を集計し算出。
※1人当たりの登録件数は、小数点以下数桁になるため10万人換算をしています。
※掲載情報は2021年11月時点のものです。



 
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