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世界三大刃物の産地で刃物生産量日本一!

~「刃物」の都道府県別件数ランキング~


日本全国ランキング・刃物

私たちの生活に欠かせない「刃物」。料理のときに食材を切る包丁、紙や袋を切ったり封を開けたりするときに使うはさみ、ヒゲやムダ毛を剃るカミソリ……刃物を使わない日はないと言っても過言ではありません。国内では、「貝印」や「フェザー」などが有名ですが、実は身の回りで使われる刃物の多くが岐阜県でつくられているのはご存知でしょうか?


特に岐阜県関市は、世界三大刃物産地とも言われ、国内のみならず海外でも知名度が高く、岐阜の刃物は世界中の人々から愛用されています。しかし、なぜ岐阜でこれほどまでに刃物づくりが盛んになったのでしょうか?それには深い歴史が関わっています。


今回はデータを紐解きながら、岐阜の刃物づくりについてご紹介します。


 

データでみる刃物製造・卸業者の件数

 

まずは日本の刃物製造の現状についてタウンページデータベースのデータを基にみていきましょう。2016年にも同様の記事を出していますので、そのデータとも比較していきます。前回の記事についてはこちらをご覧ください。


「刃物製造・卸」の登録件数推移

上図は、日本国内における刃物製造・卸業者の登録件数の推移です。2007年は2,017件でしたが、2013年には1,500件を切るように。2021年は1,000件近くにまで減少しようとする勢いです。製造業全体に言えることですが、やはり近年は少子高齢化で働き手が少なくなり、特に中小零細企業では廃業を選択せざるを得なくなっていること、また安い海外製の製品が入ってきていることなどが減少の主な要因と考えられます。


「刃物製造・卸」登録件数ランキング
NTTタウンページ(株)作成

次に、刃物製造・卸業者の件数と10万人あたりの登録件数のデータをみていきましょう。順位はほぼ変わらず1位が岐阜県、2位が兵庫県、3位が新潟県という結果です。ちなみに、2016年は福井県が2位でしたが近年では7位に。代わりに兵庫県が台頭してきたかたちとなっています。なお、上位の地域であっても業者の数自体は減少傾向にあります。


3位の新潟県は、米どころとして全国的に有名ですが、ものづくりが盛んな地域としても知られています。元々鉱山があったことから、江戸時代に農民たちは副業として和釘づくりをしていました。また、千曲川をはじめ市内を流れる河川が運河の役割を果たし、産業が発展。銅器や大工道具などの金物の製造が盛んになり、明治時代には洋食器の技術も入ってきました。特に新潟市と三条市、燕市の一体は「燕三条」と呼ばれ、日本の金属製造の一大メッカとなりました。人気のアウトドアブランドである「スノーピーク」、包丁の一流ブランドである「藤次郎」など、有名なブランドが軒を連ねています。


2位の兵庫県は、「播州刃物」発祥の地。その歴史は、江戸時代にさかのぼります。16世紀にはすでに播磨で日本刀に用いられる千種鋼が鍛造されていたことが確認されています。特に兵庫県三木市では「播州三木刃物」の製造が盛ん。経済産業省から「伝統的工芸品」の指定を受けています。豊臣秀吉の時代に繰り広げられた三木合戦(1578~1580年)で一時、地域は衰退しましたが、復興のために大工道具の需要が高まり、金物の街として発展してきました。今も昔ながらの製法で職人が手作業でのみやかんな、小刀やはさみなどの刃物をつくっています。


 

なぜ岐阜で刃物づくりが盛んに?

 

では、なぜ岐阜が刃物づくりで1位になったのでしょうか?やはり燕三条や播州と同様、長い歴史が背景にあります。


時は鎌倉時代。今の岐阜県関市に伯耆国(今の鳥取県)から元重という刀匠が移住し、この地で刀鍛冶をはじめたそうです。関は、清流長良川と津保川が流れ、良質な水が取れるほか、船の便も良く、飛騨の山から鍛錬に必要な炭も容易に手に入れられることから、刀鍛冶にはうってつけの地だったそうです。


元重の子である金重も刀匠の道に。鎌倉の五郎入道正宗のもとで修行し、門下でも名高い志津三郎兼氏を連れて関の地に戻りました。さらに金重は娘婿の包永(後に兼永と改名)も呼び寄せました。その子である兼光から子孫が別れ、関鍛冶七流となり、関で日本刀づくりが発展したのです。


室町時代には300人を超える刀鍛冶が関にいて、その数は全国一。“四方詰め”という、芯鉄をその名の通り四方から鉄で固めることで、これまでよりも硬さと粘り強さをもたせる新しい技法も編み出され、関の刀は「折れず、曲がらず、よく斬れる」と評判になりました。


この時代の代表的な刀鍛冶は二代兼元。独特の美しい波紋と鋭い切れ味から、関でももっとも有名な刀鍛冶となります。後に兼元は“孫六”と名乗るようになり、その名は今でも関の刃物の代名詞となっています。


戦国時代には、かの織田信長公や武田信玄公、徳川家康公をはじめ、数々の武将が関の刀を愛用し、関の製法が日本刀のスタンダードとなります。


江戸時代になると、やがて刀の需要はひと段落し、刀鍛冶たちは小刀やカミソリ、鋤(すき)や鍬(くわ)などの金物づくりに転身しました。さらに明治時代には、武家制度の廃止、庶民の帯刀禁止、廃刀令によって、さらに刀の需要が低迷しましたが、1886年に関の刃物卸商である佐藤久八が福地廣右衛門に製造を委託し、初の国産ポケットナイフを制作。大ヒット商品になりました。


1908年には、遠藤斉治郎が遠藤ナイフ製作所を、1932年には遠藤と小阪利雄が関安全剃刀製造合資会社を設立し、国産カミソリ替刃の生産がはじまりました。



 

今でも伝統が息づく岐阜県関市の刃物づくり

 

鎌倉時代から長い歴史を経て発展してきた関の刃物づくり。今でも岐阜県関市には、その伝統が息づいています。


遠藤ナイフ製作所は「貝印」に、関安全剃刀製造合資会社は「フェザー安全剃刀」に屋号を変え、両社とも世界的に有名な刃物メーカーへと成長を遂げました。貝印では「孫六」の名を冠した包丁を製造・販売していて、一般家庭だけでなく、多くの名だたる料理人も愛用しています。


市内には刃物メーカーだけではなく、金属加工や部品製造、組み立てなどを行う関連企業も数多くあり、刃物づくりを支えています。


日本の刃物は、海外でも大人気。特に前述の貝印やフェザーは、世界中に商品を輸出しています。


日本の刃物輸出額

データでみても日本の刃物の輸出額はうなぎのぼり。2020年には、新型コロナウイルス感染症の影響で落ち込んでいますが、それでも輸出額は200億円以上です。


世界三大刃物の生産地として国内はもとより世界でも知られ、自他共に認める刃物の街、関市。産業はもちろん、町おこしの資源としても刃物づくりが活かされています。


市内にある岐阜関刃物会館では、関の良質な刃物が購入できる直売所や刃物づくりの歴史が学べるギャラリーがあります。刀鍛冶伝承館では、刀鍛冶の歴史や技術が学べ、刀鍛冶による鍛錬の実演も見学できます。


毎年秋に開催される「関の刃物まつり」は、市内の刃物販売業者が一堂に会し、なかなか買えない珍しい商品を買うことができ、特設会場で日本刀の鍛錬も行われます。


関市の公式キャラクターは、やはり刃物をモチーフにした「はもみん」。市が制作したPR動画『もしものハナシ』は、「刃物が存在しない虚構世界」が舞台になっていて、手で食材を切ったりヒゲを一本一本抜いたり、美容師がお客の髪を歯で切るなど、シュールな光景から、SNSで話題になりました。


このように岐阜県関市では、街全体で刃物づくりの伝統を守り、産業の発展を盛り立てています。



 

まとめ

 

日本一の刃物の街、岐阜県関市。今でも世界的に有名なブランドメーカーが軒を連ね、刀鍛冶の技術を伝承しながら、刃物づくりを通じて街全体で新しい価値を提供し続けています。


「生産量日本一」「世界有数」と言われても、実際にデータをみないと、規模や他地域との違いがわかりません。


データをうまく活用することで、どの地域でどの産業が盛んなのか?そうでないかがわかります。また、それをいとぐちにして調べてみると、その街の歴史や文化、雰囲気、町おこしなどの政策面にいたるまで、さまざまな事柄を知ることが可能です。


データの背景には、無数の情報が隠れていて、それがビジネスの戦略立案や販売促進に活かすことができます。


タウンページデータベースではさまざまなデータを取り扱い、集計や分析に関してもサポートします。プレゼンや研究、マーケティング立案など、多様なシーンでご活用いただけますので、ご興味がありましたらお問い合わせください。




コラム筆者:田村 文作

(2022年2月執筆)


【調査概要】
都道府県別 人口約10万人に対する「刃物製造・卸」の登録件数分布及び年別の推移を掲載します。
■対象期間と抽出方法:2019年・2020年・2021年の各4月時点で、タウンページデータベースの業種分類「刃物製造・卸」に登録されている件数を集計し算出。
※1人当たりの登録件数は、小数点以下数桁になるため10万人換算をしています。
※掲載情報は2021年11月時点のものです。



 
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